午前、CBCで「ごごネタ!」収録。その中に「湯切り」という言葉が出てきた。さて、これは「ゆきり」と読むのか、それとも「ゆぎり」と読むのか、どっちだろ?
終わって病院に行き、スターバックスでひとりアナウンス学院開校。…えー、それでは、NHK出版のアクセント辞典を出してください。付録の230ページの「連濁」を見てください。
「ほん(本)」と「はこ(箱)」が複合して「ほんばこ(本箱)」というように、後ろの言葉に濁点がつく現象を「連濁」と言います。連濁が起こる条件は複雑ですが、一般に次のような傾向があります。
1.使われることが少ない語は、連濁しない
2.動詞と動詞が複合するときは、連濁しない
3.文法的に2語のときは、連濁しにくい
ただし、前部が副詞格のときは、連濁する
4.擬態語・擬声語は連濁しない
5.前後の音によって連濁しにくいものがある
前の音が促音のときは、連濁しない
後部の2拍目が濁音・鼻濁音のときは、連濁しにくい
上記以外の場合は、普通、連濁する
では「湯切り」を見てみましょう。これは「湯」と「切る」の複合ですね。これは「湯を切る」と、前部が後部の目的格になっています。ですから、法則では「ゆきり」ということになるのです。このような言葉はほかに「星取り」「屋根葺き」があります。
では「首切り、辻斬り、腹切り、爪切り、指切り、封切り、横切る、踏切、撫斬り」の場合は、上の法則のどれになるのでしょう?
首「を」斬る、だから、前部が後部の目的格になるので「くびきり」
辻「で」斬る、だから、前部が後部の副詞格になるので「つじぎり」
腹「を」斬る、だから、前部が後部の目的格になるので「はらきり」
爪「を」切る、だから、前部が後部の目的格になるので「つめきり」
指「を」切る、だから、前部が後部の目的格になるので「ゆびきり」
封「を」切る、だから、前部が後部の目的格になるので「ふうきり」
横「に」切る、だから、前部が後部の副詞格になるので「よこぎる」
「踏む」と「切る」で、動詞と動詞が複合しているので「ふみきり」
さて、「撫で斬り」ですよ。「撫でる」と「斬る」で、動詞と動詞の複合だから「なできり」…そんなふうに読みませんね。「なでぎり」です。これをどう説明すればいいのか。えーっと…上に書いたことはあくまでも傾向だから、これは例外! だってアクセント辞典にも書いてあるもん! 「必ずしも規則通りにならないこともある」って!
そういうわけにはいかないか。ボクなりに強引に解釈すると、国語辞典には「刃物でなでるようにして斬ること」とある。品詞分解すると「撫でる」「よう」「に」「斬る」。だから、撫でるよう「に」斬る、だから、前部が後部の副資格になるので「なでぎり」。
やや強引に結びましたが、みなさんは自由に言葉を使ってください。こちらの世界なんて「そろそろみんなが使い始めたから、この言い方、OKにする?」って感じで決まってますから。
スターバックスを出て、年賀状の印刷のためにインクカートリッジを買い、ラシックの旭屋書店で本を買って、事務所で時間を潰して、専門学校で打ち合わせ。そこでいろいろ音楽を聴かせていただく。ああ、どっぷり音楽に浸かりたい、ラジオでオンエアしたい、なんだったら、自分で曲をつないでみたい。そういえば、講義でラジオパーソナリティー実習用に作った音源、結局使うことなさそうだなあ。
コメントを残す