ミッドランドスクエアシネマで「BRAVE HEARTS 海猿」を観る。このシリーズ、完結したはずなのに、また作ったの? いさぎよくないなあ、終わらせたんなら簡単に復活させちゃいけないよ…と思ってたけど、観終わって気持ちが180度反転。この映画は、今この状況だからこそ作られ、観られるべきものです。

映画『BRAVE HEARTS 海猿』公式サイト

世界最大級の天然ガスプラント「レガリア」の爆発事故から2年。仙崎大輔(伊藤英明)は自ら志願し、海難救助のエキスパートであり最も危険な事案に従事する「特殊救難隊」で後輩の吉岡(佐藤隆太)と共に海難現場の最前線にいた。
嶋副隊長(伊原剛志)の指導の下、日々苛烈な任務に就いていた二人だが充実した毎日を送っていた。大輔の妻・環菜(加藤あい)は2人目の子を身ごもり、吉岡にはキャビンアテンダントの美香(仲 里依紗)という恋人が出来ていたのだ。
そんな折、美香の搭乗するジャンボ旅客機が羽田空港を目指し飛行中、エンジンが炎上し飛行が困難な状況に陥る。様々な救助案が検討される中、総合対策室の下川救難課長(時任三郎)は、夕闇が迫り視界が悪くなる状況の中で、前代未聞の東京湾への着水を提案する。しかし、海上着水に成功したとしてもジャンボが浮かんでいられる時間はわずか20分。機体が沈む前に乗客乗員346名全員を助け出す事が出来るのか!? 特救隊や現場に駆け付けた第五管区の服部(三浦翔平)たち、警察、消防、現場周辺の関係機関を巻き込んだ空前の大救出計画を、日本中が固唾を飲んで見守る中、G-WING206便の村松機長(平山浩行)は東京湾着水に向けて降下を始める…。
しかし予想だにしない事態が仙崎たちを待ち受けていた―。

引用元:映画『BRAVE HEARTS 海猿』公式サイト

ボクはこの映画を「指揮系統がしっかりしてる組織は、頼もしいなあ」と思って観ていました。ジャンボ機の中の人をどうやって救出するか、その作戦がパッと決まるんです。そして、警察や消防、空港など関係機関が一丸となって強力する姿を観て「いいなあ」と思いました。

たぶん、実際はこんなことはないんでしょう。「前例がない」とか「それは危険だ」とか、消極的な意見が出て一向に決められないんでしょうね。そういうストーリーで映画を作ることだってできるはず。でも、この映画はそういうストーリーではなく、決めたことをみんなで協力して成功させよう、というものにしています。

これ、まさに今の日本の状況だよね。東日本大震災のあと、みんながそれぞれできることをやっている状況によく似ている。映画の中で協力しあっている人たちと実際の社会が重なって見えたんです。

そして、ぜんぜん進まない、なかなか決められない、というように見える今の日本の政治の状況は、この映画を観た後に爽快な気分なるのに十分な要素です。映画ではどんどん決まっていくんだもの。そして、あとは現場に任せてくれるんだもの。気持ちよかったなあ。あんなことやこんなこと、もっとスピードを上げて決断していってくれたらいいのに…。