月曜日は「夢売るふたり」を、ミッドランドスクエアシネマで観てきました。で、結局ふたりはどうなったんだろう? ということを観た後にふたりで話し合いたくなる映画でした。
東京の片隅で小料理屋を営む貫也(阿部サダヲ)と妻の里子(松たか子)。店は小さいながらも順風満帆だったが、火事で全てを失ってしまう。ある日、貫也が常連客と一夜を共にし、すぐに里子の知るところとなるが、里子は結婚詐欺で金をだまし取ることを考案する。結婚願望の強いOLなど寂しい女たちの心の隙につけ込んで、店を再開するための資金を稼ぐ二人。しかし、夫婦の関係に影が差し始め……。
里子は貫也の魅力を知っているから、あんなことを思いついたんでしょうね。そして、お金のためとはいえ他の女性のもとに行く夫に対して平気でいられるわけがない。貫也もそれを感じていたから、ストレートにぶつけてみることもできたんでしょう。
でも、ぶつかってしまうわけではない。なんとなくうまくやっていく。ふたりが微妙な距離を取っているので、観ているとすっきりしないかもしれない。
そして、クライマックスを迎えた後も観ている方は「どういうことかなあ?」と想像する余地がたっぷりある。たっぷりありすぎて、すっきりしないかもしれない。登場人物が取る、変だなあと思う行動も、当人にとってはちゃんと意味のあるものなんだろうね。
「あの意味、分かった? こういうことでしょ」「いや、ああいうことじゃないの?」と、お互いの解釈をすり合わせるのが、この映画の楽しみ方だと思います。
西川監督の前作「ディア・ドクター」も、この映画のように静かな急展開をしますよね。ボク、こちらの方が好きです。
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