午後から、メディアスエフエム。

番組の中のコーナーで、毎週本を一冊紹介しています。きょう紹介したのは「結局、どうして面白いのか ──「水曜どうでしょう」のしくみ」。人気番組「水曜どうでしょう」がどうして面白いのかを、ディレクターへのインタビューを基に、臨床心理学から分析しています。

「水曜どうでしょう」というのは、出演者2人が様々な企画をしていく、というもの。その企画は、サイコロを振って出た目に割り振られた日本の都市へ行ったり、カブで日本を縦断したり、ヨーロッパの国々を周ったり。

レギュラー番組としてはずいぶん前に終わっていて、数年に一度新しい企画が放送される。そして、過去に放送された番組がDVDになって発売されているんだけど、これがすごく人気。一度観始めるとその魅力にハマる人が多い番組です。

エンディングテーマも、いい曲なんですよね。

※TVバージョンが入っているのはこちら。

※レギュラー放送の最終企画から、初期DVDのエンディングでも使われていたのはこちら。

で、この番組がなぜ面白いのか、ということですが、それは企画として進行していく物語だけではなくて、もうひとつ別の物語がある、とこの本では分析しています。同時展開するふたつの物語を観ている、ということなんです。

そして、別の物語の登場人物は、出演者2人だけではなくディレクターの2人を含めた4人。だって、この番組は画面に映っていないディレクターの声がどんどん入っているんです。ディレクターと出演者が話をしている所がオンエアされる番組って、今でこそいくつかあるけど…いや、これはやっぱり今でも「おかしなこと」だと思います。

ボクがこの番組を観ていて思ったのは「ドキュメンタリーみたいだなあ」ということ。もちろんどこか演技や演出をしているやりとりではあるんだけど、どこかオフショットな感じもする。ほら「あの現場の舞台裏に密着!」っていう番組ってあるでしょ? あんな感じ。

そういう雰囲気が、観てる人との一体感を出すんじゃないかと思います。機会があったら、どこかで観て欲しいですね。でも、名場面と言われているところだけ観てもダメですよ。この番組はそれぞれの企画の最初から観ないと、始めはその面白さは分かんないから。