109シネマズ名古屋で「SING/シング」を観る。人間が演じないので、純度が高くなり、結果、観てるこっちは泣きっぱなし。
劇場を運営するコアラのバスター・ムーンは、以前は活気のあった劇場に輝きを取り戻すべく、世界最高の歌唱コンテストをプロデュースしようと考える。感傷的に歌うハツカネズミや、内気なゾウ、25匹も子供がいるブタ、パンクロッカーのヤマアラシらが会場に集結し……。
ロジータ最高! 表情や生き方に心打たれた
「今のCG技術は、かなりリアルな描写ができるよね。じゃ、動物を擬人化させて、それに歌わせたらおもしろいんじゃない?」という企画でつくられたんじゃないか、と思ってしまう。結果、それが大成功! 現実にはありえないんだけど、でもどこかに、そんな世界があるんじゃないかと思ってしまう。違和感がないので、キャラクターにスッと感情移入できた。
ボクが一番最初に感情移入したのは、ロジータ。本当はやりたいんだけど、でも…という境遇に心打たれた。…いや、違うな。きっと妙に色っぽかったからだ。家庭のために尽くして…って書くと今は怒られそうな時代だけど、ホントに毎日を懸命に生きているんだよ、自分の夢を押さえて、家庭のことをやってるんだよ、ロジータって。
いつの間にか年を取ったってのが、ロジータのシミに現れててさあ…しかし、そんなところまで描きこむとは! 微妙な表情にやられた。そんなふうに繊細な表情が描けるくらい、CGアニメの技術は発達したんだなあ。
日本のポップも、世界のカルチャーの一翼を担ってるね
レッサーパンダのキューティーズは、J-POP が大好き。日本語しか分からないという設定だけど、片言の日本語なのが気になった。日本人にしてしまえばよかったのに。
というのも、バスターがやってしまったことが、流暢な日本語を話しているキャラクターだったらもっと際立ったんですよ。十分おもしろかったけどね。あの設定だと、キューティーズもどこかアジアっぽくみえてくるから不思議。
泣きっぱなし。人間が演じないから、純度が高いのだろうか
冒頭から泣きました。なんでこんなところでと思ったんだけど、夢に蓋をして生きている人たちに見えたからかな。みんな一生懸命に生きてるんだなあ…と思ったら、文字通り涙が止まらなくて。
そして、クライマックスのステージ。いいところで客席からグーッとステージに向かっていくカメラワークで、また涙が止まらない。演出にまんまとはまってしまったのです。
そりゃ、アニメーションという「完璧なタイミングがとれるエンタテインメント」でライブをやられたら、盛り上がらないはずはない。心が動かないはずはない。人間が演じないぶん、感情の純度が高くなるのだろうか。
音楽の数だけ、人は勇気づけられるのかも
それにしても、オーディションのシーンで感じたのは、この世には本当にたくさんの歌のジャンルがあること。そして、そのジャンルの数だけ、音楽との関わり方があるんだなあ。音楽がなくてはならないものだということが、ちょっと分かった気がした。
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