109シネマズ名古屋で「サバイバルファミリー」を観る。さらっと描かれている中に、重いテーマがドスンと真ん中にすわっていた。
鈴木家は、父・義之(小日向文世)、母・光恵(深津絵里)、息子の賢司(泉澤祐希)、娘の結衣(葵わかな)の4人家族。ある朝、目を覚ますと突然全ての電化製品が停止しており、鈴木家だけでなく近所中で同じことが起きていた。さらに電車も車もガスも水道も止まってしまい、家族全員途方に暮れる。そこで義之は、東京から出ようと決断し……。
怖いねえ。まるでゾンビが出るんじゃないかと思うくらい
ある日突然、電気が使えなくなる。普段の生活にどれだけ電気が使われているか。ガスや水道にも電気が使われているので、普段の生活はまったくできない。
最初、情報をテレビやネットから得ようとしているのを観て「ラジオがあるじゃん」と思ったけど、事態はそんな小さなことではなかった。そこから始まるサバイバル生活。
だんだん怖くなってきたよ。映画「アイアムアヒーロー」を思い出したほど。これはパニックムービーになっていくのか、と思った。最後まで見で感じたのは、家族をテーマにしたヒューマンドラマだったけど。
家族のつながり。そして、命をいただくこと
一家の大黒柱を演じていた父が一番、サバイバル能力がなくて、母や子供たちの方がその能力がある。父の威厳は徹底的に地に落ちた。
それでも、この家族には父は欠かせない。とあることでバラバラになった家族が再会するシーンは、やっぱりこの家族はひとつだったんだと感じた。
命をいただく、ということにも逃げずに描かれていた。そのシーンでは、近くにいた小学生から悲鳴があがり、ボクも「よくここまで踏み込んで描いたなあ」と思ったほど。それで生活している方々には大変申しわけないのだが。
本当のサバイバルはもっと過酷だろうし、あの状況であんなに穏やかでいられるはずはない。でも、命をいただいて食事ができている、という当たり前のことを逃げずに思い出させてくれるだけでも、いい作品だ。
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