ボクの防災への取り組みは、人と違う。
メディアスエフエムが防災デーということで、通常とは違う運行。3時間半、防災について取り上げた。
きょうのパートナーの戸崎しょう子さんが「防災への取り組み、何かしてますか?」と聞いてきた。その時に思ったことは、ラジオでは言えない。
ラジオでしゃべる側の防災の取り組み
非常食を用意する、とか、避難場所を確認する、というものが真っ先に浮かんだのではなく、どれだけ迅速にオンエアに乗せるか、ということが浮かんだから。第一報を受けたあと、どういう行動をすればラジオで伝えることができるか、なんていうのは、ラジオを聞いている人は関係ない。ラジオでしゃべる側が考える防災への取り組みだ。
ボクがラジオでしゃべってるのは、報道色が強いものもある。気象警報が出た、とか、高速道路が通行止めになった、とか、地震があった、とか、そういうものを伝えることもしている。
今年で17年目かな。これだけ長い間やっているとアナウンスのパターンは頭の中に入っていて、手元にある紙が箇条書きになっていても、原稿になっているかのように読むことができるようになった。
帰り際の津波警報、そのまま報道特番へ
2004年9月5日の日曜日、深夜に起きた紀伊半島南東沖での地震では、三重県南部と愛知県外海に津波警報が出た。
帰り際だったので、一報を入れて帰ろうと思っているところに出た警報。緊急警報放送を入れなければならない。試験放送では聞いたことのある信号のあとに入れたアナウンスは、今だったらもっと的確なものを言うことができる。
当時の局員さんがなぜか近くにいたらしく、局にやってきて、そのまま報道特番。友人の結婚式の二次会終わりに顔を出すつもりが、キャンセルすることに。情報が入ってこない中、メインのスタジオからの呼びかけがあった時にどう振る舞うのかは、その時にも鍛えられました。
誰もいない中、マニュアルプラスアルファの動きができるか
昔話が長くなったけど、こういう経験もあるから、ボクは防災対策というと「どこに行って情報を取ってきて、どういう定型文に当てはめて、どうやってアナウンスするか」ということになってしまう。情報を受ける側ではなく、情報を発信する側から見た防災対策。
ボクは人のいない時間に放送局にいることが多いので、非常時の初動をどうするかは、とても大切な問題なのです。マニュアルの確認は当然、プラスアルファの動きをしないといけないかな、と思ってる。
だから、ものすごく見てます、非常時のNHKを。アナウンサーが言っていることを覚える意味で。ひょっとすると、自分が言わなきゃならないアナウンスになるかもしれないから。
ただ、こういうことも自動アナウンスになっていくんだろう。音声合成の技術が進んできているからね。初動は自動アナウンスに任せて、局員が来るまで、つなぎの役割をする。ボクもそろそろお役ごめんになるのかな……。
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