TOHOシネマズ東浦で「トレイン・ミッション」を観る。通勤列車って、不思議な空間だ。知っているのに知らない人たちばかりが周りにいる。
保険会社に勤めて10年がたつ60歳のマイケル(リーアム・ニーソン)は突然解雇され、今後のローン返済や息子の学費のことが頭をよぎる。いつもの電車で帰宅途中の彼の前に面識のない女性が座り、三つのヒントを頼りに乗客の中から大切な荷物を持った人物を捜し出せば、10万ドルを支払うと持ち掛けてくる。
こんなふうに金を提示をされたら、やってしまうだろうなあ
日常生活は簡単に崩れる。オープニングでマイケルの家族の幸せぶりを観ているから、余計に辛い。どうします? ローンもあるし、学費をどうやって捻出するかってことが目の前の問題として急に現れたら。
それでなくても、家計は火の車みたいだったし。手形が不渡り、なんて、企業経営みたいだけど、アメリカの家庭にはこういう問題を抱えているところも多いんだろうなあ。
そんな状況のところに「10万ドル支払います」なんて言われたら、受けちゃうだろうね。人捜しなんて、そんなに大変なことじゃないって思うだろうし。でも、この作品ではそれが大変なことになっちゃんだけどさ。
それにしても、マイケルがお金を受け取ったかどうか、一瞬分からなかった。「ひょっとしたら取ってないんじゃないか?」って思う演出は、この先に何が起こるか分からないっぞって気持ちになっちゃったよ。
リーアム・ニーソンですもの。アクションもあります
今回、リーアム・ニーソンが演じるのは保険の営業マン。今まで彼が演じてきたものとはちょっと感じが違うなあ……と思ったんだけど、いやいや、やっぱり、リーアム・ニーソン。ジャウマ・コレット=セラ監督と組むなら、こうなりますよね。
通勤列車って、不思議な空間だ
列車という限られた空間でのアクションも観ごたえありますが、通勤列車で人捜しをしている時に、いろんなことを考えました。
毎朝毎夕、同じ電車に乗ることになりがちなのが通勤列車。毎日会って顔は知っているけど、その人のことは知らない。そんな乗客同士が、ストーリーの終盤ではお互いの感じ方が変わってくる。
リーアム・ニーソンのこの手の作品って、一大事が起こったあとのめでたしめでたしという空気の中で、関わった人たちがクローズアップされるパターンが多いと思うんだけど、今回は「フライト・ゲーム」の時とはちょっと違った感じを受けたなあ。それはやっぱり、顔を知っているけど深くは知らないっていう関係からスタートしていたからだよね。
この後も、彼や彼女たちはまた、同じ列車に乗り合わせることはあるんだろうか? その時には、どんな会話をするんだろうか。そんなふうに、日常に戻った時のことを考えました。不思議な空間だね、通勤列車って。
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