109シネマズ名古屋で「予告犯」を観る。演じているみなさんに感動。クライマックスのあるシーンは、特にすばらしい! でも、どの温度で捉えたらいいか分からなかった。これはリアル社会に、どのくらいの影響を与えていたの?
インターネット上に、新聞紙製の頭巾にTシャツの男(生田斗真)が登場する動画が投稿され始める。彼は動画の中で、集団食中毒を起こしながらも誠意を見せない食品加工会社への放火を予告する。警視庁サイバー犯罪対策課の捜査官・吉野絵里香(戸田恵梨香)が捜査に着手するが、彼の予告通りに食品加工会社の工場に火が放たれる。それを契機に、予告犯=シンブンシによる予告動画の投稿とその内容の実行が繰り返される。やがて模倣犯が出没し、政治家殺害予告までもが飛び出すようになる。
魅力ある出演陣
「えっ、こんなにすごい演者の方々がそろったの?」って思うくらい、豪華。この人で十分ストーリー引っ張れるじゃん、と思う人が脇を固める。スポーツのオールスターゲームを観ているようだ。
荒川良々さんが出演してるんです。編集のテンポもあって「あーやっぱり荒川さんはそのテンションでいくのね」って思ったシーンがあったんだけど、絶妙のタイミングで涙をひと筋。もうこのシーンが観られただけで満足! ここだけでも観る価値がある、とボクは思う!
濱田岳さんが「ノビタ」って呼ばれた次のシーンでは、黄色いシャツを着てた。あれは予告犯ならぬ、確信犯だね。間違いなく「のび太じゃん!」って言われるのを狙ってる。その他にも取り上げたい方ばかりだけど、ひとりひとり挙げたらキリがない!
ネットと映像の食い合わせの悪さ
ただ、ネットでのやりとりが表現されるたびに、ボクはすーっと醒めてしまう。「学校社会ならともかく、職場ではあんなネットのつながり方はないんじゃないかな」と思ったり「あんなにツイッターが盛り上がってるなら、リアルの世界にももうちょっと影響があるだろ」と思ったり「コメントが流れる量って、そんなもん?」って思ったり。
ネットの盛り上がりを映像化するのって、難しいんだなあ。この作品で唯一表現できるとしたら、動画投稿サイトのコメントの流れ方だったんだけどね。ネットとリアルの距離感が、今ひとつ分からなかった。
ひょっとして「ネットで騒がれてるけど、リアルではそんなに騒がれてないもんなんです」ってのを表現したかったのかなあ。
社会を揺るがすような大事件だったのか、社会の隅っこでひっそり起きてる事件に過ぎなかったのか、ボクにはちょっと読み取れなかった。
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