TOHOシネマズ東浦で「こんな夜更けにバナナかよ 愛しき実話」を観る。もっとわがままに、人と関わって生きていこうと思った。
北海道で医大に通う田中(三浦春馬)は、ボランティア活動を通じて体が不自由な鹿野(大泉洋)と出会う。鹿野は病院を出てボランティアを募り、両親の助けも借りて一風変わった自立生活をスタートさせる。ある日、新人ボランティアの美咲(高畑充希)に恋をした鹿野は、ラブレターの代筆を田中に頼む。ところが美咲は田中の恋人だった。
鹿野は人に何かをお願いしている立場なのに、わがままにみえる。もっと謙虚に頼まないのかい、と思うくらい。けど、鹿野の態度がボクを変えた。そうか、こうやってわがままに振る舞えばいいんだ、と。
鹿野のわがままは、ポリシーがあってのわがまま。ハンディキャップを背負っている人へメッセージを送っている。そのメッセージは、ボクには「人は誰かを頼らなければ生きていけない」というものとして届いた。
誰かのサービスを受けて生活しているこの社会。まったく一人で生きていくってのは、無人島でサバイバル生活をするのと同じこと。食事だって、誰かが育ててくれた材料を食べているんだし。
ただ、鹿野の振る舞いについていけなくなる人が出てくるのも事実。この作品ではサラッと描かれている。「鹿野のボランティアはいいところしか描かれていない」ってのは違うと思う。
そんな場面になった時、すぐに次のことを考えているから描かれていないようにみえるかもしれない。くよくよ考えている時間は、鹿野にはないわけだし。
鹿野と違って、体も動くし、時間もある。なら、いろんな人を巻き込みながら、やりたいことをやればいいんじゃないか。鹿野だって、最後の最後まで、ボランティアと一緒にやりたいことをやったんだし。ボクはいったい、何にビクビクしていたのかなあ。
あと、高畑充希さんの演技が、演技にみえなくて。ああいう感じの人、周りにもいるんじゃないかって思うくらいだった。
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