TOHOシネマズ東浦で「来る」を観る。スタートダッシュを決めた妻夫木聡さん、まさにロケットの一段目のようだ。

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映画『来る』公式サイト

幸せな新婚生活を送る田原秀樹(妻夫木聡)は、勤務先に自分を訪ねて来客があったと聞かされる。取り次いだ後輩によると「チサさんの件で」と話していたというが、それはこれから生まれてくる娘の名前で、自分と妻の香奈(黒木華)しか知らないはずだった。そして訪問者と応対した後輩が亡くなってしまう。2年後、秀樹の周囲でミステリアスな出来事が起こり始め……。

引用元:来る (2018) – シネマトゥデイ

妻夫木聡さん、次の元号の無責任男をやってくれないだろうか

妻夫木聡さんの演技がすごい! 昭和の無責任男は植木等さん、平成は高田純次さん、その次の元号では妻夫木聡さんにその称号をあげたいくらい。

もちろん、妻夫木さんのもともとの性格ではないだろう、そういうところも、植木さんに似てるんじゃないだろうか。

妻夫木さん、山田洋次監督の「家族はつらいよ」シリーズに出演していて、監督が妻夫木さんにアドバイスを求めることもあるって聞いたことがある。その話を聞いていると、この作品の演技も「そうとう練ってきてるんだろうなあ」って思ったよ。

そうか、妻夫木さんがこの作品を引っ張っていくんだな、と思ってたくらい。そうだよね、黒木華さんや岡田准一さん、松たか子さんもいるだよね。

コピーに隠れている意味

この作品の予告編で流れるコピーは「こわいけど、面白いから、観てください。」。ホラー作品で「おもしろい」っていう言葉を出すことってないだろうから、そんなに怖くないだろうなって思いました。怖さでいったら「へレディタリー/継承」の方がはるかに上でしたよ。

そんなに怖くない、とは思ってましたが、まさかクライマックスはあんなことになっていくとは! この作品にも出演している伊集院光さんが「まるで『シン・ゴジラ』のような感じだよ」ってラジオで言ってたけど、その意味が分かった。まさに!

過去を振り返っての後悔というか、若気の至りというか、自分が成長することで「あれは間違いだったのかもしれないな」って思うことがある。その時の自分を完全に否定するわけじゃないけど、今思えばもうちょっと柔軟に考えてもよかったんじゃないか、ってことが。

そのあたりの古傷を突っついてくるような感じがしました。でも、それを包み隠すようなエンタテインメント性がありました。前半と後半でまったく印象が違う、と言ってもいいくらいでした。