109シネマズ名古屋で「何者」を観る。登場人物の心の動きが目まぐるしく変わる。派手ではないが、その内側は激しい。
就職活動の情報交換のため集まった大学生の拓人(佐藤健)、光太郎(菅田将暉)、瑞月(有村架純)、理香(二階堂ふみ)、隆良(岡田将生)。海外ボランティアの経験や業界の人脈などさまざまな手段を用いて、就活に臨んでいた。自分が何者かを模索する彼らはそれぞれの思いや悩みをSNSで発信するが、いつしか互いに嫌悪感や苛立ちを覚えるようになる。そしてついに内定を決めた人物が出てくると、抑えられていた嫉妬や本音が噴きだし……。
引用元:映画『何者』 – シネマトゥデイ
時系列をずらすことで、心の動きがダイナミックに見える
いわゆる「就活」はやったことがない。周りは就活をやっていたんだろうけど、その輪の中に入ることはなかったなあ。この作品の中で言えば、ボクは烏丸ギンジが一番近いんだろうか。
主な登場人物は6人。この関係が目まぐるしく変わっていく。描かれている時期も時系列に沿ってないから、直前のシーンでは仲が良かったのに、次のシーンではギクシャクしているってことも。気を抜いてしまうと、このシーンがいつの頃を描いているのか分からなくなる。
それまでをひっくり返す、ラスト十数分!
物語がドライブしてくるのは、終盤も終盤、残り十数分くらい。隆良のあるひと言で、拓人が何者であるのかが観客側に示されてから。それまでの淡々と語られていたように見えたシーンの数々が全然違って見えた。このために、それまでがあったのか!
心がチクチクしっぱなし
就活をする時って、自分を徹底的に見つめる時期なんだろうな。自己分析にはじまり、アピールポイントを面接でスラスラ言えるように練習する。不採用通知が来た時は、自分の存在を否定されたように感じてしまう。
内定がもらえれば、その作業から解放される。もらえなければずっと、その作業が続く。就活生にとって、内定は「こっちの世界」と「あっちの世界」を分けてしまうものなんだ。
就活を経験した人なら分かる、この作品の登場人物の心の不安定感や、関係性の移り変わり。観ているあいだ、心がチクチクするんだろうな。
で、就活を経験してないボクですが、心の不安定感ということで言えば20年くらいずっと、そんな感じ。自己分析やアピールポイントを常に表に出していなければ、依頼がなくなってしまう。
そういう意味では、一生就活。自分が何者になるのか、まだ答えは出ていない。烏丸ギンジにもいつか、答えは出るのだろうか。
サッカー選手に例えたら、こんなタイプ
数センチ単位ポジションをずらすことで相手の攻撃を封じる、緻密なプレーができるミッドフィールダー。
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