ワールド・ベースボール・クラシックが終わってから、周りでは
「イチローがあんな人だとは思わなかった」という声をよく聞きます。
今回いろんなコメントを残したことで、それまでのクールなイメージを
持っていた人は、なんでしゃべるようになったんだろう、と思ってるみたいです。
その疑問を解くカギは、先日BSデジタル各局で放送された
矢沢永吉との対談でありました。


イチローのイメージは、物静かで、ぶっきらぼう。それは本人も思っていたようで、
自分自身もそのイメージに追いつこうとしていたようです。それが3年ほど前に
「鈴木一朗」が「イチロー」を追い抜いたことで、自分の中でこの2つを
完全に分離できた、と話していました。また、それまでは失敗ということに対して
自分はもちろん、他人も許すことができなかったけど、他人には寛容になることが
できたとき、つまり許すことができるようになったときに分離できた、とも
話しています。これまでは「イチロー」のイメージが「鈴木一朗」を
コントロールしていたけど、今は「鈴木一朗」が「イチロー」を操ることが
できるようになった、ということでしょうね。

さらに、人のことを喜ばせようとしては喜んでもらえないことが分かった、とも
話しています。今まで通り好きなことをやるので、ついて来られるのなら
ついてきてみろ、という子どもみたいな雰囲気になることが、見てる人も
喜ぶんだ。こっちが先だった。今まで順番をはき違えていた、とまで
言っていて、これが、先のエントリーに書いた「遠回りこそ近道」の発言でした。

子どもは楽しく野球をやる。その気持ちが大切なんだ、ということです。
この「楽しく」やるということ、いろんなことに当てはまりますよね。
あれこれ悩むより、まずは自分が楽しくやらないと、
人は喜んでくれないんですね。
子どものように、楽しむ、かぁ。これからの仕事に生かしてみよう。

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