ミッドランドスクエアシネマで「旅のおわり世界のはじまり」を観る。葉子を演じた前田敦子さんのすごみが出ていた作品でした。
葉子(前田敦子)は舞台で歌うことを夢見ながら、テレビ番組のリポーターの仕事をこなしていた。彼女は番組スタッフ(加瀬亮、染谷将太、柄本時生)たちと、かつてシルクロードの中心として繁栄した土地を訪問する。旅の目的は湖に生息するといわれる“幻の怪魚”を探すことだったが、異国の地での撮影は思い通りに進まなかった。
ずっとドキドキしっぱなし。葉子、なんでそんな行動をするんだ! 危なっかしくて、観ているのが辛くなってくる。
でも、あれは葉子の心の動きを現しているのかもしれないと思った。ここにいたくない、もっと自由にはばたきたい、でも、人と交わるのは、拒否しているともとれるような消極的さ。
そして、葉子を前田敦子さんが演じているというのも、この人しかいないんじゃないかと思うくらい、ぴったり。AKB48の時に、求められるものを必死になって具現化していた彼女と重なる。
いくつかあるロケの内容のひとつの「え……また? これ、笑ってもいいシーン?」と思うものだって、自分の本音は分からないけど、求められるものを必死にこなす前田敦子さんにしかみえない。葉子を演じているのに。
そんなハラハラ感をいつの間にかこちらも共有していて、どこに連れて行かれるのか分からない。しかし、徐々に葉子に変化が出てきたとみえてきたところの、クライマックス。
外見は劇的な変化はないけれど、内面では大きな変化があったと思われるシーン。それまでの思いから一転、よかったと思うことができた。物語として成立しているという、この作りがすごい。
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