ユナイテッド・シネマ阿久比で「ザ・フォーリナー/復讐者」を観る。テロ、あるいはエゴで命を落とした娘への復讐もまたエゴ。しかし、その復讐は絶対ダメだとは言えないなあ。壮絶な過去を経てようやく作り上げた環境だったんだもの。
クァン・ノク・ミン(ジャッキー・チェン)は、特殊部隊に所属していた過去を封印し、ロンドンでレストランを経営していた。高校生になる娘の成長を見守っていたが、彼女は無差別テロによって命を落としてしまう。憤怒に駆られた彼は、特殊部隊時代に培ったスキルを駆使して犯人を捜し出し、リベンジしようと決意する。調査を進めていくと、北アイルランドの副首相リーアム・ヘネシー(ピアース・ブロスナン)の存在が浮かび上がる。
クァンにはいろいろあったけど、ようやく心穏やかに生活できるようになった。娘も成長していずれ巣立っていく……というところでテロに会い、娘を亡くしてしまう。
この「いろいろあった」が、本当に過酷な状況だったぶん、怒りが収まらない。もうここで刺し違えて死ぬくらいの覚悟を決めたんだろうな。テロによって多くの命が奪われることの非道さと残酷さが印象に残る。
じゃあ、そのテロの首謀者は誰なんだ……と探していくうちに感じたのは、前時代的な考え方。お前は変わってしまったと言われても、時代が変わってしまった今じゃ、それに合わせなければ主張は通らない、という考え方との衝突。
一見、悪くないんじゃないか? と思えたあの人だって、潔白だとは言えない。この作品、みんなエゴのぶつかり合いだ。
しかしまあ、情報の漏れ方が……。身内みんなそうか! とも言いたくなる。その点からみても、あんな結果になったのは身から出たサビだ、としか言えないよなあ……。
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